
土は焼かれることで、元には戻らない状態へと変わります。
割れや歪み、釉の流れや剥離も含め、その変化はすべて不可逆です。
広島県世羅郡世羅町に工房を構える芳賀稔さんは、不確実さや破損のリスクを内包した制作を続けています。
「埋め焼き」は、完成させた陶器を薪に埋め、さらに焼き進める手法です。
破損のリスクを伴いますが、独特で力強い表情が生まれます。
「剥白」は、釉薬を施してはあえて剥ぎ取る工程を含んだ新たな試みで、朽ちたような質感を意図的に引き出しています。
「黒銀」は、荒々しい土の表情が垣間見える銀の技法です。
芳賀さんは焼き物という行為が本質的に持つ不可逆性を、極めて誠実に提示しています。
そこにあるのは、破壊と再生という単純な対比ではなく、「戻れなさ」そのものに向き合う姿勢です。
本展では、これまでの埋め焼きに加え、新たな表情を見せる剥白や黒銀の作品も多数ご覧いただけます。
現在の芳賀稔の制作を、ぜひご高覧ください。
【芳賀稔 個展『不可逆』】
2026/1/24(土)〜2/1(日)
営業時間 12:00~18:00
休業日 | 1/27(火), 1/28(水)
作家在廊予定日 | 1/24(土), 1/25(日)
<芳賀稔 / Minoru Haga >
1983年 広島県府中市生まれ
2008年 多治見市陶磁器意匠研究所修了 / 卒業制作課題賞
2013年 第25回土岐市織部の日記念事業第6回現代茶陶展 入選
2014年 広島県世羅郡世羅町に薪窯を作る
@minoruhaga | #芳賀稔